ずいぶんと痩せている顔。
細く長い、そして濁った様な紅い色の舌。
人を絶対信用しない視線の細い目。
顔だけでずいぶんと特徴のある存在だ。
近づいてくる清一色を見て、八戒は自分がこれから酷いことをされると解っていながらそんなことをぼんやりと考えていた。
「ウチを破壊した時のようなあの井出達にはもうならないのですか?」
そっと八戒のカフスを撫でながら、清一色は耳元で囁きかける。
「・・・」
あまり自由にはならないが、それでも八戒は顔をすこし背けた。
「あぁ、妖力制御装置をはずすと、自分の精神が制御できないんでしたっけ?」
ふふん。
とそのままみみたぶから頬を右手の人差し指Uターンするように撫で上げる。
「あの時の様に絶対的な力のアナタと闘ってみたいんですけどねぇ」
にやっとする清一色は別に悟空のように戦闘行為自体に興味があったり、闘いの中に人生の意義を見つけたりするためのものではない。
「その上でアナタに勝ち、服従させ、抵抗できない状態で延々と私に尽くさせるのが非常に面白そうなのですが」
純粋に貶め、辱め、隷属させたい。
それ以上でもそれ以下でもない。
清一色は純粋なサディストなのだ。
「まぁ、今回はずいぶんとうまくいきましたので、これはこれで楽しい進行状況なんですけどね」
今度は八戒の右耳を舐める。
八戒の身体がピクッと反応する。
「あ、そうそう」
突然清一色はくるっと後ろを向くと、部屋の端にある机の上からいくつかの小物を持ってきた。
「全力で戦闘するのもまた好いのですが、絶対的に抵抗できないようにするのもまた格別でしてね」
八戒の右耳をさすり、ぱちんと何かを取り付けた。
「っく?!」
一瞬の痛みに八戒の端整な顔立ちがゆがむ。
特に痛みが続くわけではなく、左耳にしているカフスと大差ない物のようだ。
「これは『人間状態』の妖怪の力を制御するものでね。感覚は残っているのですが、身体を動かすのがすごく大変になるんですよ」
飄々と説明を続ける清一色。
誰が聞いているわけではないのであるが。
「そして、こちらが今回の注目商品」
スイっと八戒の目の前に自慢げに見せるそれは外見はやはり八戒のカフスに酷似しているものであった。
「機能は簡単なものです。性欲を増幅させる装置ですので」
「っ!?なっ?!」
抵抗力を奪われた上で性欲の増幅装置ということは、すでに清一色の目的は見えていた。
明らかに八戒を陵辱するつもりなのである。
しかも。
「もちろんアナタからの積極的なご希望に沿う形で私は仕方なくお付き合いするのですヨ」
ぞっとするような笑い。
心底この状況を楽しんでいる清一色の表情がそこにあった。
感覚的に狂っている。
そう思ったが、この男に対しては今更という気がしないでもない。
父の様に世界を支配するとか、破壊を目的としているとか、大それた自己顕示欲など欠片もないのだ。
自分の気に入った相手を只管に辱め抜く。
その戦闘力、能力は父を完全に凌ぐと言うのに。
その力は個人へと向けられる。

ぱちん。

その装置がはめられた。
また一瞬の痛みが八戒の右耳に走る。
「っ!」
体力制御装置の時で慣れてしまったのか、その下に着けられた性欲増幅装置はそんなに痛みを感じなかった。
否。
すでに体力制御装置の効果が表れていたのかもしれない。
「・・・?」
性欲増幅装置をつけられたはずなのに、特に何かが起こるというわけではない。
作成に失敗したのか?
と八戒が一瞬思った時、清一色が下あごを撫でさすった。
ビクビクビクッッ!!!!
「うあああああはうっぁっ?!?!」
八戒の身体がものすごい反応を示した。
自分でも解らないほどの反応に目を大きく見開く。
そしてすぐに普通の感覚に。
何が起こったのかまったくわからない八戒は目をぱちくりさせつつも清一色を睨みつけようとした。
そんな八戒をみて軽く肩を竦めて見せる清一色。
「性欲『増幅』装置と言ったデショウ?性的な感覚を与えられた瞬間それがどんなに些細な感覚でも、あっという間に上り詰めるほどの感覚となるのですよ。ホラ、こういう風にね」
横に控えさせていた紗尾にもいつの間にか同じ装置が装着させられていた。
カフスではなく、ピアス形式になっていたが。
清一色はおもむろに紗尾の胸を軽く揉んだ。
「うひゃあうっ!!」
びくんびくんと悶絶する紗尾。
八戒の時のようにすぐに手を止めない。
清一色が手を動かす度に紗尾は身体を跳ねさせ、口から泡を吹いた。
腰が砕け、座り込み、ビクビクと口を半開きのまま失禁してしまう。
それでも清一色は紗尾の胸を揉みしだくことをやめない。
形のよい紗尾の胸が感じるようにこねくりまわされる。
「・・・・お・・・お許し・・・くだ・・・さ・・いっ?!はぁぅっ!!・・・あああぁぁっ!!」
達し続けたまま紗尾はがくりと失神した。
それほどの感覚なのか。
紗尾が失神するまでものの数秒。
そんな行為を自分にされるのかと思うとゾッとした。
「さて、続きをアナタでさせていただきましょうか」
紗尾の口から流れ出る泡を指先ですくうと、それをペロっと舐めた。
紅く紅く長いその舌先で。


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2005 02/20 written by ZIN
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