Oh My JEEP(八戒&悟浄)





「あ、あんなところに白い物体が・・・」
悟浄と共に買い物に出かけ、帰り道を歩いていた八戒は道ばたの陰に隠れるように縮こまって
いる小さな生き物を見つけ、悟浄に話しかけた。
「ん?物体ぃ?」
たばこを口にくわえ、適当な女に目移りしながら、話半分に八戒の話を聞いていた悟浄はその
八戒の言葉もそのまま流そうとしていた。
すでに歩みも八戒の5メートルほど先に行っていた。
「もう、悟浄ってば!」
そんな悟浄を引き留めるようにして、八戒はその縮こまっている物体に近づいていった。
「ほっとけって、そんなの。どーせよけいな食いぶちが増えるだけなんだからよ」
「働いていない貴方が言いますかねぇ」
悟浄の言葉など、気にしないと言わんばかりに、八戒はその白い生き物を抱き上げた。
「キュゥウーーン」
その生き物はふるえているものの、自分を抱き上げた八戒をしっかりと見つめ返した。
「これは珍しい。白龍の幼生ですよ」
「お?そいつはすげーな。うっぱらっても結構な金になるぜ」
「貴方はすぐにそういうことを言う・・・この子は売りませんよ。大きくなれば、どれだけ役
に立つか解らないのですから」
「オマエの方が結構打算を働かせていないか?」
はっきり白龍を売らないことを否定した割には、自分たちの今後に必要だからと言う理由にな
ってしまうあたりが、この男らしいと悟浄は心の中で思ったが、はっきり口には出せないでいた。
「でも、この子は僕が面倒を見ますから、別にイイですよね?」
「あ?今更ウチで俺に何か決める権利があるの?」
悟浄は別にどっちでもイイと言わんばかりに自分を卑下して見せた。
「そういえば、ありませんでしたね」
にっこりと笑って、そんなことを言う八戒に悟浄は何もいえなかった。
「コワいって」
「何か言いましたか?。だって貴方のウチの家事一切は僕が仕切っているんですから、何もい
えませんよねぇ」
「イヤ、だから・・その・・まぁ、どうでもイイや、好きにしてくれ」
「だから悟浄は大好きですよ」
その一言で悟浄は赤くなってしまった自分に気がつき、ついと帰り道の方を向いてしまった。
「そろそろ帰ろうぜ。そいつつれてさ」
「ええ」
八戒はその弱った白龍を抱き、悟浄の後を追いかけた。
「名前を決めないといけませんね」
「そうだな、うちに帰ってからゆっくりと考えることにしようぜ」
「そうですね」
二人は夕暮れの中を連れ立って家路についた。

つづく





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