買い物verS(八戒&悟浄)




「悟浄、何もたついているんですか?」
八戒はばたばたと玄関から出てきた悟浄をみて、きっぱりと言い放った。
「なんだよぉ、そんなに急がなくても、市場は逃げやしないって」
悟浄はめんどくさそうに自分をせかす八戒に文句をたれる。
その行為は自殺行為であることを悟浄はまだいまいち理解できていなかった。
「ほほう、僕にそんなことをいえる根性が、まだあったんですね、いまいちまだ何が大切かを
理解していないようなので、きちんと教えてあげる必要がありそうですね」
そういって、にやっとする八戒の表情は、笑顔が穏やかな分、ものすごい恐怖を感じさせるに
は十分であった。
「え、いや、そんなことは・・・」
「ほほう、いいわけをするのはどの口ですか?」
そういって、悟浄の口を引っ張る。
「いててて・・・なにしやがる、八戒」
「へぇ?まだ口答えするんですか?」
引っ張った唇を話した瞬間平手で悟浄のほぉをひっぱたいた。
ぱぁん!!
乾いた音が宿の周辺に響きわたる。
人気のない町外れだったからよかったものの、人前でこれをやられたら、とんでもないことに
なっていたであろう。
「いってぇな!なんなんだよ、いったい」
「僕の恋人ですよね?悟浄?」
「あぁ?・・・そうじゃねぇのか?」
「じゃあ、別に問題ないですよね?」
悟浄の目が点になる。
「どういうことだ?」
「だって、”僕の”恋人ですから、僕の自由にしてイイって事ですよね?」
その言葉を聞いた瞬間、悟浄は自分の血の気が音を立てて引いていくのが解った。
「だから、僕の言うとおりにしていてほしいんです。イイですか?」
この間の麻雀野郎に似ている。
悟浄は何となくそう思った。
それとともに、八戒が壊れたことも同時に悟っていた。
何が八戒におこったのか?
それでも、悟浄はそれでイイと思ってしまう。
ストレートに自分を好きと言ってくれる。
「ああ、イイぜ」
肯定した瞬間に自分は一生この相手とつきあっていく。
解っていても別に否定する必要は元々無かった。
そう、もともと相手がどうなったからと言って何か変わるわけではないのだ。
また、元に戻るときもあるだろう。
そしてまた愛を深めてゆく。
「買い物に行きますよ」
「あいよ」
二人はまた一緒に歩き出す。
そう、永遠に・・・・・

FIN





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