お誘い?(八戒&悟浄)



「なぁなぁ、ここのところに傷付いてないか?」
自分の部屋の寝床で熟睡に入り始めた八戒の部屋に入りこみ,ベッドにあがりこんだ。
「悟浄,今は何時だかわかっていますか?」
眠そうな目をしながらも八戒は冷静に悟浄をたしなめる。
「いや、それはわかっているんだけどさ」
本当に悟浄はわかっているのか,八戒の言葉を気にも止めずに行動を続ける。
「だーかーら、本当に僕は眠いんですけど」
それでも八戒はめげずに悟浄に忠告を続ける。
「いや、昼間の戦闘でちょっと怪我したらしくて・・・」
「それはもう昼間に直したでしょ?」
「いや、だからさぁ・・・」
悟浄は髪の毛をかきあげながら,ベッドの上で八戒にのしかかる。
「ひょっとして誘っているんですか?」
「・・・おまえ、だんだん言葉に衣を着せなくなってきたな」
自分で誘っておきながら、八戒の直接的な表現に動揺してしまうあたりが、悟浄が八戒に勝
てない所以なのかもしれない。
「そりゃあ、もちろん。貴方にいちいち応対していたら,体が持ちませんからねぇ」
八戒はそれでも悟浄に取り合わずに、自分の布団にもぐり始めた。
悟浄は少しだけ,相手にしてもらえないことにむっとしたが,そんな事でくじける悟浄では
なかった。
「そんな事をいっていると,襲うぞ」
「どうぞ」
「・・・・・」
さすがに布団を開けて,にっこりと微笑む八戒には襲う気まんまんの悟浄にもどうしようも
なかった。
「からかうつもりなら,僕は寝ますよ。襲うのは今日はごめんですが、隣りに寝るぐらいなら,別に構いませんよ」
結局悟浄はそんな八戒の優しさに直接的な行為を求められず、素直に隣りに寝る事にした。
「じゃあ、お休みなさい」
八戒は悟浄に気をかけていないようにみえたが、ベッドに自然に自分の場所が空けられてい
るのを見て,嬉しくなった。
「おやすみ・・・」
当初の目的は達成できなかったが,悟浄はとても幸せであった。

八戒は悟浄が自分のところに来てくれただけで幸せだった事は言うまでもない。

FIN







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