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暑い!(八戒&悟空)


「あ”〜〜あ”づい”〜」
ぱたぱたと、悟空はその辺で拾ったのか、段ボールの切れ端をもって、仰い
でいる。
「まぁ、こんなにいいてんきですからねぇ」
いつものにっこり笑顔も、この炎天下の中では多少つらそうに見える。
悟空ほど汗だらだらというわけではないが、八戒の額にもじっとりと汗がに
じんでいる。
「なぁ、前までこんなに暑くなかったと思うんだけど・・」
買い物帰りの荷物を持って、「三蔵には内緒ですよ」と念を押された肉まん
をかぶりつきながら、悟空は八戒に問う。
「そうですねぇ。例の桃源郷の危機。いや、もっと言うと、牛魔王の復活が
そこまで現実に近付いていると言うことなのかもしれませんね」
「え〜、牛魔王の復活に天候までかんけいするのぉ?」
悟空は信じられないといった顔をする。
当然だ。
一妖怪の復活に天候まで左右されてはかなわない。
「それでも、牛魔王健在の時の彼の居城である場所は山ごと火の海だったそ
うですよ。最強の証明と、攻めようがない城だったそうです」
「げ〜、やだやだ。そんな暑いところにすむやつの気が知れないね。ん?・
・・ひょっとして、牛魔王が生き返ると、桃源郷が全部火の海になる可能性
があるのか?」
「う〜ん、正確には生き返ると言うよりは、蘇生にちかいんですけど・・・
まぁ、意味あい的には似たようなものかもしれませんね。どうやら、今回復
活を実行している玉面公主は妖術と科学の融合を試しているそうですから、
まちがいなく、今まで以上の力を持って復活するでしょうね。そうしたら、
桃源郷全土が焼け野原・・というより、燃えっぱなしというのも否定できま
せんねぇ」
あはは。と、いつもの笑いを浮かべる八戒であるが、あまりいい冗談ではな
い。
「むぐう・・ごくん。そんなに暑くちゃ、くいもんとか、飲み物とか、うま
くないと思うんだけどなぁ。なにがいいんだろ?」
悟空らしい視点の否定の仕方である。
「そうですねぇ。熱い飲み物はまだいいですけど、冷たい飲み物とか、フル
ーツは食べにくいでしょうねぇ・・・」
「ピザとか、トーストはいいけど、かき氷や、アイスクリームはあっという
間に溶けちゃうよ。そんなのやだ」
そもそもそう言う問題でもないような気もするが、現実的な身近な問題とし
ては的を得ているかもしれないと八戒は思った。
素直に牛魔王の復活を否定しているのはよけいなことを考えない悟空のよう
な考えの方がいいのかもしれない。
「そうですね〜。熱い食べ物ばかりじゃ、体コワしそうですしね」
「そうそう、ぜったいみんないやがるって!」
「それじゃ、その牛魔王を倒す人のところへさっさと買った物を持っていく
としましょうか。よけいな仕事はさっさと片づけるに限りますから」
「さんせ〜い!。そろそろ額にしわ寄せて、『おそい。ぶっ殺す』とか言っ
てそうだよな〜」
「悟空、今の顔、そっくりですよ」
「え〜、似ているのはヤダなぁ」
「あはははは〜」

ある暑い日の一コマであった。

FIN

2000 08/27 written by ZIN
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