誕生日とは(天蓬&悟空)





「ねぇねぇ、天ちゃん、誕生日って、なんだ?食えるのか?」
「う〜〜ん、そうですねぇ。ある意味食べることにも関係ありますけど、誕生日そのものは食
べられませんよ」
「な〜んだ、そうなのか、でも、食べることと関係あるんだよな?」
「そうですね、誕生日というのは、人が生まれた日をその人の誕生日といって、一年に一度、
お祝いをするんですよ。無事に一年経ちましたねって。そこで、人にもよりますけど、パーテ
ィー等を開いてお食事会みたいなのをする人もいますね。たいていは小さい頃にそういうこと
をたくさんやって、オトナになるに従って、少なくなっていくようです」
「ふぅん、ところで、天ちゃんの誕生日っていつなの?」
「私ですか?私は先々月でしたから、9月の20日ですね。ちなみに金蝉は今日ですよ」
「ええ!!そうなの?失敗したなぁ。パーティーでも開いてもらえば良かった」
「でも、彼はあまりにぎやかなのを好みませんから・・・」
「そうなんだよね、何でいつもあんなに難しい顔をしているのかな?もっと楽しく過ごせばい
いのに」
「くす、それはちょっと大変かもしれませんね。でも、パーティーはしないにしても、お祝い
はしてあげれば喜ぶんじゃないでしょうか?」
「お?それ、ナイス。でも、何すればいいかな?俺よくわかんないんだけど・・・」
「えっと、じゃあ、とりあえず、食べ物を何か庁舎の人に作ってもらえるようにお願いしてお
きますよ。悟空は、何かプレゼントを用意したらどうですか?」
「ぇえ?俺何も人にあげるモノとか持ってないよ」
「別に高価なモノとかでなくていいんですよ。気持ちのこもったものを相手が無事に一年過ご
せて、また今年もがんばってくださいねって、ことなんですから」
「ふぅん・・・結構難しいんだな。ま、いいや。あ、そうだ、こないだ裏の小道にきれいな花
畑見つけたから、そこから持ってこよっと」
「それはいいですね。あの部屋はあまりにも殺風景ですから、いいかもしれません」
「よっしゃ、決定!じゃあ、天ちゃん、飯の方、頼んだかんね。後で、金蝉のところで!!」
そういって、悟空は天蓬の部屋を後にした。
誰もいなくなった自分の部屋で、しばし煙草をくゆらす。
「そういえば、彼の誕生日も今月でしたね。まぁ、二人だけでしたケド・・・」
一本吸い終わったところで、おもむろに電話の受話器をとり、庁舎の厨房に連絡を取る。
軽めの食事とお菓子類を適当に注文して、1時間後に金蝉の執務室に運ぶよう指示を出す。
「さて、その金蝉の様子でも見に行きますか」
席を立つときにキャップを閉めた万年筆は、捲簾の誕生日に彼に送ったものとペアのものであ
った。

FIN






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