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Holy night(八戒&悟浄)


「雨は夜更けすぎに〜♪雪へと変わるだろう〜♪」
「Silent night〜♪Holy night〜♪」
窓から外を覗いていた八戒が口ずさんだその歌に、新聞を広げていた悟浄は
ふと顔を見上げた。
「世間ではクリスマス一色ですね・・・」
闇夜を背景にほほえむ八戒の笑顔は非常に美しかった。
「ん・・・あぁ・・そうだな」
あまりの美しさに少し照れてしまい、悟浄は新聞に目を戻す。
「今年で2回目ですね、悟浄とクリスマスを過ごすのは」
悟浄は再び視線を八戒に向けると、少し息を吐き、新聞を畳んだ。
少しゆっくりとした動作で煙草に灯を付ける。
「そうだな・・もう2回目か・・」
言葉と供に吐き出された紫煙はゆっくりと広がり、部屋の中へととけ込んで
ゆく。
「今年は良いんですか?」
「ん?ナニが?」
突然の八戒の質問に悟浄は柄にもなく、思わず間抜けな返答をしてしまう。
「去年大騒動を起こした女性の方達ですよ」
すこしいじわるな笑みを浮かべて、去年の出来事を思い出させる。
そう、去年は悟浄がどの女とも過ごさないと言い始めたため、この家まで押
し掛けてきた女性が沢山いたのだ。
「悟浄はモテモテですもんねぇ」
くすっと笑うその顔にはもう、悲惨な死にたいするあこがれはない。
「オマエ、性格変わってきてないか?」
「悟浄と過ごすんですから、少しは図太くならないといけないと思ったので」
さらっと言ってのける八戒の悟浄は小さなため息を付いた。
「いけしゃあしゃあと・・・」
額に手を当てる悟浄であったが、まんざらでもなさそうだ。
「で、どうなんです?」
「あぁ、今年は多分誰も来ないだろうよ。『誰かと過ごす事なんてできない
から、俺は誰とも過ごさない』って言ってあるからな」
「そう言ってまたファンを増やすんですね」
くっくっく。と八戒は冷やかした。
「オマエと一緒に過ごすための口実に決まってんじゃんよ」
悟浄はまだ少ししか吸っていない煙草を灰皿に押しつけると、その灯を消し
た。
そして、八戒の座っているいすに後ろから回ると、軽く抱きしめ、一緒に窓
の外を見上げた。
「お・・・ホントに雪が降ってきた」
「・・・そうですね。まさに聖夜にふさわしい演出と言うことでしょうか・
・・」
「メリークリスマス、八戒」
「メリークリスマス、悟浄」

その瞬間、二人の影が重なった・・・
彼らにメリークリスマス。

そしてすべての人に・・・・
メリークリスマス!!

FIN

2001 01/01 written by ZIN
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