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孤独な戦いの末に(ナタク)


「ぐはっ・・・ゼェゼェ・・・さすがにつらいか」
確かに今回の討伐は相手の力はそんなに強くない指令であった。
確かに、個別の強さは・・・
「はあっ!」
ようやく数千人規模で殺したが、体力の方が持たなかった。
「くっそぉ!!」
軍は外に待機させて、自分のみが切り込む。
基本的な先述はずっと変わっていない。
「さすがに今回は無理か?」
自嘲気味に自分の状況を口にしてみたところで何も変わらないことは百も承
知であったが、言わずにはいられない。
「まさか、数万人規模の軍勢に数百名で戦うことになるとは・・・父上も酷
なことを」
ザシュっ!
また一人敵を切り刻む。
そのとき、気がゆるんだのか、背後からの敵に気がつかなかった。
「あっ・・・」
振り向いた目の前に刀の鈍い光だけが目に入る。
やられたと思った瞬間、その光はあらぬ方向へ導かれ、扱っていた本体と供
に地面へと崩れ落ちた。
「?」
「闘神、ナタク太子がこんなところでやられちゃあ、困るんだけどな」
青龍刀を肩に担ぎ、大きな羽織を脇の男に私ながら、その男はめんどくさそ
うにつぶやいた。
「そうですね・・・しかし、この人数相手では仕方のないことでしょう・・
・」
羽織を受け取りつつも、右手で鞭を軽く人振りすると、数十人が消し飛ぶ。
糸目の男は戦い自体に興味がなさそうだ。
「あ〜、ヤダヤダ、隠密行動は、銃がつかえねぇじゃんよぉ。俺にこいつを
つかわせてくれ〜」
眼帯を付けて遠近感が無いと思われながらも銃を扱うその男は抱えた銃を手
に、観戦を決め込んでいる。
「けっ、相変わらずふざけた奴らだ・・・暗殺部隊め」
「さすがはナタク大志、我らを知っていたとは」
「しらいでか・・・。裏闘神を私が知らなくてどうする」
「じゃあ、話が早い。とっとと片づけましょうや、ナタク太子殿」
ナタクを含め、自然と3人の陣形をとる。
「さすがは裏とはいえ、闘神と呼ばれるだけのことはあるな」
「その台詞はお互い様だ」
円陣を組み、背後の憂いを無くした3人はその注意をそがれることなく戦い
に没頭することができるようになった。
360度の戦い方から、120度になったのである。
人振りで数十人、3人での相乗効果は見る間に上がり、凄まじい勢いで屍の
山を築いてゆく。
それでも天井の憂いが無くなったわけではなかったのであるが、3人の頭か
ら堕ちてくるのは自動的に死体となった敵軍であった。
「ほぉ・・マシンガンを3発ずつ急所に撃ち込み、無駄なく騒音も発せずか
・・・器用なことを・・・」
「ナタク殿、感心している暇があるのなら、戦闘の継続を・・・」
糸目の男は戦闘を行いながらナタクの耳元で囁く。
「お節介め・・・」
長期戦闘で息が上がっているとはいえ、ナタクは太子と呼ばれるほどの闘神。
それと同等の戦闘を行いながら他のことに気を配るほどとは・・・
部下がこのレベルと言うことは、上官である青龍刀の男はそれ以上というこ
とか・・・
名前すらも知られない暗殺部隊の実在にナタクは背筋が寒くなるのを久しぶ
りに感じた。
しかし、今はそれにこだわっている暇はない。
少なくとも、こいつらは自分に助力してくれている。
死線をさまようところだった自分にとってはこれ以上の戦力はない。
「アイツと約束もしたからな・・・必ず戻って来るって」
「さぁて、これで俺等の役割は終了だ!!」
青龍刀の男が大きく振りかぶり、力をためると、その刀身は青白く光り、青
龍刀の名にふさわしい輝きを持ち始めた。
「せいやぁ!!」
振り下ろした刀から発せられた刀刃が有象無象の物量作戦をしいた敵軍に襲
いかかる。
なぎ倒された刀風に巻き込まれて命を失う敵軍を含めると数百人。
ひょっとすると千人近い数かもしれない人数が一瞬で消し飛ぶ。
「それでは私も仕上げに移りましょうか・・・」
黙々と闘っていた糸目の男も鞭を持ち替え、逆手にすると、気合い一閃でそ
の柄を横に凪払う。
適度に長さのあった鞭は、その長さを数百倍にのばし、敵軍を真横に横断す
る。
胴体の部分をあっという間に駆けめぐり、静かになった彼の手元にはいつも
の長さの鞭があった。
一払いして、光のエネルギー体である鞭を柄のなかに収めると、懐にしまっ
た。
その直後、イヤな音と供に凪払われた敵軍が消滅する。
ほぼ上官と同じ数であろうか・・・
「・・・・」
「さて、俺の任務はココまでだ、ナタク大志。ここからはなんとか自分の力
で生き抜いてみろ」
「と言うことですので、よろしくお願いします。おじゃまいたしました」
唖然としたままのナタクを置いて、出現したときと同じように闇にかき消え
る二人。
見上げると、もう一人の男も銃をしまうところであった。
「んじゃね♪ナタクっち」
その後、同じように消えたことはいうまでもない。
残り敵軍は千人程度。
これぐらいなら、負けることはない。
「疲れも入れて、微妙なところか・・・うまいことやってくれる・・・」
ナタクは再び一人での戦い方に構えなおした。
「いくか・・・戻ってアイツの顔を見るために」
その顔には生きて帰る意志がはっきりと見て取れた。
「おおおおおおおりりりりりりゃゃゃゃぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!」

FIN

2000 09/24 written by ZIN
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