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その人の名は(李塔天)


ばたん。
・・・・・・
しばしの静寂が訪れる。
「おのれ・・・」
悟空と天蓬が去った自身の執務室で、他の次官がいるにも関わらず、李塔天
は乱暴に腰掛けた。
「言うに事欠いて、○んこあたまだと・・・あのガキめぇ・・・」
本気で憎らしげに言う李塔天に、周りの次官達も失笑から、恐怖へと変わっ
ていく。
息子の力で手に入れたとはいえ、実際にナタクを動かすことができるのは、
この男だけなのだ。
しかし、しばらく顔に手を当て、考え込んでいた李塔天は突然、にやりと笑
いだした。
「くっくっく、面白い奴らだ。そうでなくてはつまらん」
『おもいっきりまけおしみだよなぁ・・・』
『あぁ、あの子供におもいっきりやられていたしな』
がたん!
李塔天はひそひそ話が聞こえたのか、席を立ち、窓の外を見た。
そこにはちょうど悟空にじゃれつかれながら、たのしそうに笑う天蓬元帥の
姿があった。
「相変わらず綺麗な顔をしている」
うっとりと言う李に、周りの次官達はざわめく。
『いま・・・』
『あぁ・・・そうかとは思っていたが・・』
「んぁ?」
振り向いた李塔天と視線を合わせる者達は誰もいない。
「それでは閣下、私どもはこれにて」
ほんの少しの再び訪れた静寂の後、隊長クラスの者が意を決してそう言うと、
めんどくさそうに返答する。
「あぁ、かまわん。一人だけドアの前に残しておけ。これから執務に入る」
「承知いたしました!李塔天閣下!」
「許可するまで、天帝以外の伝令は通すなよ」
「はい!」
ようやく解散の許可が出た・・・と、次官、及び兵士達は散ってゆく。
「さて・・・ワシも寝るか・・・」
誰一人いなくなった執務室でいつも通り寝に入る。
所詮は急進で手に入れた役職。
何にせよ、利用できるものは利用するのだ。
この天界も、あの男も、手に入れたいと思ったものを手中にするまで手段は
選ばない。
これまでもそうしてきたし、これからもそうするのだ。

うむ。

FIN

2000 09/15 written by ZIN
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