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寝る(八戒&三蔵)

ガランッ、ゴン、ガガン!
空の灯油缶が重い音を立てて階段を転がり落ちる。
「ち・・・やかましい」
くわえた煙草が上にクッと向き、目を細めて汚物を見るような目で転がり
落ちてゆく灯油缶を見つめる。
そう言う本人がいらつきと供に、灯油缶をけりつけた事が明白なのは、そ
の叩きつけた雪駄の裏がまだ宙にあるからである。
「そんな・・・自分でけりつけておいてそれはないんじゃあ・・」
八戒はその傍若無人ぶりに、相変わらずであるとは思いながらも思わず苦
笑する。
そう言う人間なのだ、この男は。
「なんだ?何か気にいらんのか?」
「いえ、そう言うわけではないのですが・・・」
「じゃあなんだ?」
「・・・下にいる人が転がっていった灯油缶にぶつかって怪我でもしない
かと心配で」
「ん、それは運が悪かったんだな、きっと。いちいちそんな奴らにかまっ
ていられるか」
「あらら、そう言いきっちゃいますか」
たはは・・・と頭を掻きながらも、結局は否定しない。
どうせ下に人が居ないことは百も承知なのだ。
自分のする事には責任を持つ。
人には絶対迷惑をかけない。
その代わり自分をじゃまする存在はどんな細かい事象でも全力で叩きつぶ
す。
この男はそう言う人間なのだ。
だから八戒も決してじゃまはしないし、足手まといにはなりたくないと思
っている。
「あのバカ二人はどうした?」
「たぶん、もう少し戻るには時間がかかると思いますよ。買い物にあの二
人を行かせたのは間違いだったでしょうか?」
「仕方ないだろう、この寺院に泊まると決めた以上、俺が席を外すわけに
も行かない。かつ、ジープが調子悪い以上、八戒がジープのそばをはずれ
るわけにも行かない。となると、元気いっぱいバカ一杯の奴らしかいない
のだからな」
「まぁ、それはそうなんですけどね〜」
説法も終わり、三蔵と八戒は縁側で下に延々と続く階段を見下ろしていた。
ジープもようやく峠を越え、ゆっくりと寝息を立てている。
「ふむ・・・」
ごろんと縁台に横になり、八戒の膝に頭を乗せる。
「あ・・あの〜」
「なんだ?文句があるのか?」
「いえ、特にないんですが、これって膝枕ですよ?」
「問題があるのか?と聞いている」
「・・・別にないです」
「じゃあいい。俺は少し寝る。バカに説法をたれると疲れ・・る・・・」
そう言いながら、早速寝息を立て始めた。
「こんなに無防備になって・・良いんですかねぇ、こんなに信頼されちゃ
って。悟空が見たらやきもち妬くかもしれませんよ。あ、どちらかという
と、悟浄の方が嫉妬深いかもしれませんが」
自分で言いながら自分の言葉に受けてしまう。
暖かい日差しだ。
自分も眠くなる。
縁側で見上げる空はあまりにも底抜けに蒼くて、桃源郷が危機に瀕してい
るなんて、とても思えなかった。
それでも自分たちは走り続けないといけない。
そう、ずっと。
この人物を中心として・・・

FIN

2001 02/09 written by ZIN
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