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ノイズ・・・(八戒&悟浄)


「ぐはぁっ!」
台所でいすに腰掛け、本を読んでいた八戒は頭を抱えてうずくまった。
「どうした?」
居間でテレビを見ていた悟浄は八戒のうめき声にすぐに駆け寄る。
「・・・ぐ・・はぁ、・・はぁはぁ・。いえ、大丈夫で・・す・・」
「大丈夫って、おまえ、汗びっしょりだぞ。全然大丈夫そうに見えねぇけ
ど・・・」
「いえ、たまに・・・本当にたまになんですが、こう言うことがあるんで
す。目の前にノイズが走るんです・・・それと一緒に頭痛が」
苦渋の表情を浮かべながらも『大丈夫』の言葉を繰り返す八戒に対して、
悟浄は何もすることができなかった。
「なんでまた、そんな事になるわけ?原因とかはわかってんの?」
「特に原因というわけではないのですが、子供の頃にものすごいストレス
があったからだと思います」
「ストレスでそんなふうになるもんなんか?」
「結構そう言う事ってありません?精神的な苦行が体調にも支障を来すん
です」
そういって薄く笑いを浮かべる八戒であったが、どうしても苦渋の表情を
隠すことができない。
「笑うなって・・・こっちがつらくなるじゃねぇか」
そういって、悟浄は八戒をいすから抱き上げた。
「えっ?」
八戒の顔が驚きの表情を見せ、その直後に真っ赤になる。
「きにすんな。いつもの恩返しみたいなモンだ」
そう言う悟浄も心なしか耳が赤くなっているように感じるのは気のせいで
あろうか。
「はい・・・」
八戒は身体が思うように動かないと言うのもあったが、せっかくなので、
悟浄の好意に甘えることにした。
細く見える悟浄の胸板は思ったよりも厚く、抱かれていて不安を感じない。
「へぇ・・・」
「ん?どうした?」
「結構抱かれるのも良いモンですね」
「・・っ!?バカやろう!わけわかんねぇ事いってんじゃねぇよ!・・・」
悟浄はその八戒の言葉に思わず落としそうになってしまった。
「くだらねぇこといってっと、落とすぞ、コラ」
「そんなことはしないって、わかっていますからv」
語尾にハートマークがつきそうな笑顔を浮かべ、八戒は回復が近いことを
予感させた。
「けっ、もう大丈夫なんじゃネェか?」
「せっかくだから、ベッドまで運んでくれるのでしょう?」
「ったりめぇだ。んで、今日はとっとと寝ろ」
「はい」
悟浄は八戒を部屋のベッドに寝かすと、さっさと出ていった。
「別に襲っても良いのに・・・」
八戒はベッドでつぶやいたが、病人にそんなことをする悟浄でないことも
十分に解っていた。
「オヤスミナサイ、悟浄。そして、ありがとう」
八戒は久しぶりに良い眠りについた。

・・・

「ま、そう言うときもあるわな」
悟浄は再び新聞を広げ、煙草をくゆらした。

FIN

2001 02/05 written by ZIN
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