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「こりゃまた、ハデにやられているみたいだネェ?」 周囲の街人の冷たい視線もなんのその、相変わらずの毒舌で妖怪に襲われたという民家を見回る。 そこは、北の森にちかい民家で、両親が仕事に出かけている間に、子供、それも娘が連れ去られたらしい。 しかしながら、血痕はなく、ご丁寧に自分の力を誇示するがごとく、家屋のみ破壊されていた。 「血痕がない・・・お子さんはとりあえず無事のようですね」 八戒が悲しみに暮れる親の気持ちを察したのか、優しい希望のある言葉をかける。 「無事とはいっても・・・何処に連れ去られたのか・・・」 その言葉にも、連れ去られた子供の両親の表情は暗い。 「それで、どのくらいのお子さんで、どんな格好をしているか、覚えていますか?すぐにでも捜索をしたいので、なるべく正確にお願いします」 「娘の年は15歳、肩ぐらいまでの髪の毛を後ろで留めています。上着は青、下は白のズボンです」 「お、15歳、良いネェ」 「悟浄!」 その言葉に八戒の裏拳が悟浄の腹を打つ。 「げっ、ごほっ!本気でどつくなよ、八戒〜。ちょっとした反応じゃん?」 「それがだめだと、いつも言っているでしょう?、この人達は、本当に困って居るんです」 「ちぇ〜、まぁいいけどさ」 そう言って、悟浄はざっくりとあたりを調べ始める。 八戒はその他の情報を両親から聞き出し、他の街人に指示を出し始める。 「ん?これは?」 手に取った破片をみると、見たような紋章があった。 家屋を破壊した時に使った武器が欠けたものだろうか? 「いや、そんな事はねぇな。もう1年以上昔の話だ。気にしすぎだ」 「どうしました?悟浄」 いぶかしげにその破片を見つめる悟浄の背中から、八戒がのぞき込む。 「いや、大したモンじゃねぇよ。それより情報収集は終わったのか?俺の分担は?」 「・・・あぁ、そうですか。まぁ、悟浄が気にしないので有ればいいんですけど・・・」 そう言って、八戒は微妙に寂しい顔をした。 「僕たち二人は、森の中を捜索ですね。さすがに北の森を街の人に捜索させるわけにもいきませんから」 「ん、まぁ、そうだな。適度に範囲は広げたのか?」 「街の中を数人。森の周辺を少し大目に人数を裂きましたね。あとはこの中をどう探索するかですが・・・」 ちょっと遠い目をして、森を見つめる。 「テキトウに入って、しらみ潰ししかねぇんじゃねぇの?結構広いけどな」 「そうですねぇ。この入り口から入っていったことは間違いないようですし、痕跡をたどれば少しは手がかりがあるかもしませんしね」 「思ったよりも、人数は少ないようだ。ひょっとすると、ひょっとするかもしれねぇぞ?」 「え?」 「奴らの残党かもしれネェってことだよ」 「あぁ、そういうことですね。でも、さすがに1年も経ってからは気にしすぎでしょう。まぁ、結局は彼らも行方不明ですが・・・」 遠くを見つめる八戒の緑色の瞳は、業火の中に消えた八百鼡の姿を見ているのだろうか? 「そうだな、気にし始めたらきりがないからな。さぁて、ぼちぼち探し始めますか、愛しのお姫様を」 「えぇ、親御さんも心配していることですし・・・」 そういって二人は森の中へと消えていった。 to be continued |
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