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「黙れ」 悟浄はとっさにその手で八戒の唇を塞いだ。 しばしの沈黙が流れる。 巨大な妖気とともに、大きな影が二人の頭上を通り過ぎる。 幸いなことにその存在は二人に気がつくことなく過ぎ去ったようだ。 「ぷはっ」 しばしの間口を塞がれていた八戒はようやくその手をはずされ、口をぱくぱくとさせた。 「なんか、ものすごい妖気でしたねぇ」 「あぁ、なんとなく戦って勝てる相手じゃねぇってことはいやってほど感じたぜ」 「・・・二人では・・・たぶんむりですね」 「しかし、なんであんなにすさまじい妖気をもつ輩がこんなへんぴな森にすんでいるんだ?しかも、いきなり村人を襲うなんて・・・」 「さぁ・・一度街にもどって、体勢を立て直したいところですがねぇ」 「帰り道はさっきのとおりわかりませんって感じだな」 「えぇ・・・どうしたものか」 口元に手を当てて考え込む八戒。 悟浄は荷物の中身を軽く確認する。 長めにみつもっても2日ぐらいしか食料はもたない。 元々そんなに探索をするつもりでなかったのと、ちょっとした捜索のつもりだったからだ。 この様子だと、そうそう簡単に森の中で食料が見つかるとも考えにくい。 「こまっちまったなぁ」 とりあえず途方に暮れた悟浄は視線のその先に意外な存在を見つけた。 「いよぉ」 何でもないように声をかけてくるのその存在。 白地に黒のラインの入った長い上着、その独特の形状をした長剣を携え、その男は悟浄に声をかけた。 「あら・・・ごぶさたしております」 傍らにいる女は非常に長いポニーテイルともみあげの長い三つ編み、新緑色の動きやすいチャイナで丁寧な挨拶を二人によこした。 「・・・・・兄貴に八百鼡?」 「あぁ、オマエが俺の知っている馬鹿弟であれば、間違いなく俺たちはその名前で正解だ」 わっはっは。 と、独角の笑い声が響く。 「独角・・・いきなりそういう言い方は・・・久しぶりに会ったことですし」 「まぁ、そうですね。こんなところですけど」 八戒はその3人のやりとりに思わず苦笑する。 「なんでこんな所にって顔をしているな。まぁお互い様だが」 「とりあえずなんですし、その辺に座りましょうか」 「えぇ、そうですね」 4人はそういって近場の腰を下ろせそうな場所を確保し、お互いになぜここにいるのかを話始めた。 to be continued |
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