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NewAge06


「簡単に言うと、紅と李厘の復活をするための旅をしているということだ」
「といいますと?」
「そこは私が説明しましょう」
「ん?あぁ、任せた」
そういうと、独角はめんどくさそうに立ち上がり、木によりかかると煙草を取り出した。
ライターを捜しているがみつからなそうなのをみてとり、悟浄が火をつける。
「さんきゅ。気が利くようになったな」
「けっ。情けない兄貴を面倒見ているだけだよ」
「口の減らないやつめ」
そう言いながらも、久しぶりの再会に独角の目はほころんでいる。
何しろ数年ぶりなのだから。
「思ったよりもいい感じですね」
そんな二人を八百鼡はうれしそうに見る。
「あぁ、そうですね。まぁ、元々そんなに仲が悪いわけでもないようですから、あの兄弟は」
「えぇ、僕も一安心です」
話を続ける二人は久しぶりの兄弟の再会が穏便に進んだことにほっと胸をなで下ろしていた。
どうしても心配性なのだ、この二入は。
「あぁ、説明の途中でしたね、すみません」
「いえいえ、私もついあの人を追ってしまっていたので・・・すみません」
「ご説明の続きをお願いできますか?」
「あ、はい。それでは・・・」
少しだけ座りをただすと、再び八百鼡は話し始めた。
「八戒さんたちもご存じのように、あの戦いで紅骸児様と李倫様は吠塔城に半分封印されているような状態となっています」
「えぇ」
八戒もその戦闘に参加していたので、だいたいの顛末はわかっているつもりであった。
戦いは激しく、三蔵は法力のすべてを使い切り、悟空は自分の潜在能力を直接行使せざるを得ないほどだったのだ。
当然のごとく八戒もその妖力制御装置をはずして戦い、唯一正気を保ったままの悟浄が後始末をすることになったのだが・・・。
後で聞いた話では八戒を脱出させるだけで精一杯だったらしい。
よって、三蔵や悟空の行方もその時はわからず、しばらくしてようやく三蔵と連絡がついたほどなのだ。
それほどあの戦闘は激しかった。
八戒はそう記憶している。
「そこで、復活させるには封印を解く鍵となるものと再生するための媒体が必要なのです。そのために私たち二人は旅をしているということですね」
「それが何かはわかっているのですか?」
そう八戒が聞くと、八百鼡は少し寂しそうな顔をした。
「いえ・・・経文をひもといて、そういう手段でなんとかなりそうだと言うところまでは解読したのですが、なにぶん牛魔王様の蘇生に多大な負荷をかけ、紅骸児様や李厘様の処理にも使用されたため、ほとんど読めないというのが現状です。手がかりをたどっていたらどうやらこの森にそのような鍵となりそうなものがあるとの話を聞いたので、たどり着いたというところです」
「なるほどねぇ・・私たちとは全然ワケが違うのですね」
おもわず苦笑する。
自分たちは所詮村人のお手伝い。
実際には自分たちに被害はまだ来ていないのだから。
「八戒さんたちはどうしてこの森に?」
「あぁ、僕たちは近くの村の自警団をしているのですが、一番森に近い家がおそわれまして・・・」
「あら、それは大変ですね・・・」
「えぇ、小さい女の子が一人残されたのですが、親御さんの消息がまったくつかめません。それで森の中を捜索し始めたのですが」
そこまで言いかけて、頭の上から言葉を遮られる。
「道にまよっちまった・・・ってとこだな」
「あぁ、悟浄・・・煙草はいいのですか?」
「話が長くて、煙草も飽きちまったよ。兄貴と話しててもしかたねーしな」
「しかたねーとはなんだ。しかたねーとは。せっかくこうして兄弟の語らいを八百鼡たちが作ってくれたというのに」
「あまりにも環境が違いすぎて、今更話すことなんてねーだろ?それよりか、ここからどう脱出するかを考えた方が賢明だぜ?なぁ?八戒」
にこにことしながら八戒もそれに答える。
「まぁ、確かにお互いの過去を詮索するよりもこの状況を打破することに全力を注いだ方がいいかもしれませんね。悟浄の言うことも一理あると思います。まぁ、悟浄の口から『賢明』なんて言葉がでてくるとはちょっと驚きましたが」
「くすくすくす」
八百鼡が思わず小さく笑う。
「おいおい、ねーちゃん、おまえさんが笑うか?八戒もうれしそうに笑うんじゃねーよ!ったく!」
ふんとすねると悟浄はまた煙草に火をつけた。
「まぁ、冗談はおいといて、どうしましょうかねぇ。どうにかしてきっかけがつかめればよいのですが・・・」
「あぁ、それならちょっと気になる場所があったぞ」
独角が茂みの中から姿を現す。
「いったいどこ行ってたんだ?いきなり消えやがって」
「ん、無駄に時間を消費しない行動をしていただけだ」
「けっ、あてつけかよっ!」
「まぁまぁ・・・」
喧嘩になりそうな雰囲気を、八戒がなだめる。
「それで、何をみつけたのですか?独角」
「あぁ、これなんだが・・・」


to be continued

2002 03/03 written by ZIN
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