永遠という言葉をアナタは信じますか？

えぇ、私は信じていました。
ずっと一緒にいられる。
ずっとこの生活が続く。
人間であることも忘れて。
相手も人間であることを忘れて。
永遠という言葉を信じていたんです。

だれもこの生活を保障してくれているわけでもないのに。
だれも二人を守ってくれているわけでもないのに。

妖怪になってみて初めてわかる、悠久の時の流れ。
いっそのこと、あの人も一緒に妖怪になれればと本気で思った。

そうすれば、少なくとも人間の時よりは長く一緒にいられる。
同じ時を過ごせる。

すべてを捨てても。
あの人と供にいたかった。
何もなくても。
あの人がいれば良かった。

出会いがあり。
別れがある。

旅立ちがあり。
帰りがある。

明けない夜がないように。
太陽が必ず沈むことを僕たちは知らないといけない。

永遠は決してないけど。
永遠はここにある。

そう、僕たちの中に・・・・

ＦＩＮ