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END to(?&八戒)


暗闇の中に一つの緑色がある。
瞳の色だ。
よぉく目を凝らしてみると、それが人の瞳であることが判る。
「どちらさまですか?」
その瞳の持ち主は、自分に気が付いたようだ。
「お返事がないようですね・・・あぁ、実体もないのですか?」
普段はなんの反応もしない私だったが、素直に頷いてしまった。
「あぁ、やはり・・・いえ、結構です。特に不都合は有りませんので、気にしない
で下さいね」
その男・・・そう、暗闇で判りづらかったが、その緑色の瞳を持つ男は、目を細め
てにこやかな笑みを浮かべた。
「え?寂しそうですって?・・・そうかもしれませんね。でも、今は案外幸せです
よ」
難しいことを言う。
寂しそうなのに、幸せだって?
自分には理解が出来なかった。
「そういう顔をしないで下さい。寂しそうなのは、悲しいことがあったからですよ。
でも、幸せなのは、ようやく解放されたからなんです」
解放?
「そう、解放です。ずっと頼り切っていた相手が居なくなってしまって、僕はすご
く悲しいと思ったのですが、でも、ようやく一人で歩くことが出来るようになった
という充実感というか・・・」
そういうもんかねぇ。
「僕もまだよくわからないんです。最愛の人だった人を亡くしたのに、幸せな感覚
というか、充実感のような感覚をもってしまって良いものかどうか・・・」
ひょっとしたら、自分の力を試したかったのかもしれないな。
「あぁ、そういう考え方も有るんですね。確かにそれは正しいかもしれません」
今は一人きりなのか?
「えぇ、ようやく・・・と言う言い方はよくありませんが、一人きりですよ」
寂しい?
「・・・寂しいですね。でも、さっぱりもしています」
一人で生きるのはつらいかもしれない。
「結構大丈夫なんじゃないでしょうか?」
なんでそう言い切れる?
「だって・・・あなたも一人きりじゃないですか」
・・・そうだな。
ずっと・・・一人きりだ。
「結構大丈夫でしょ?」
まぁな。
「じゃあ、僕も大丈夫ですよ。きっと一人でも生きていける」
・・・生きていく・・・か。
「あぁ、この表現は可笑しいですね。だって僕は死んでいるんですから」
判っていたのか・・・
「えぇ、僕の右目が無くなったときに、何となくわかりました」
じゃあ、俺が何しに来たかも判っているのか?
「えぇ、向かえに来てくれたんですよね?」
・・・そうだ。
「ひとりだけこちらに来てしまった僕を迎えに来てくれたんですよね?」
うむ。
「あぁ、よかった。本当はどっちなのか、ちょっと不安だったんですよ。だから、
寂しかったんです。いくら一人でも大丈夫と入っても、世界に一人だけというのは
さすがに寂しいですから」
そうか・・・まぁ悔いはないか?
「無いといったら嘘になりますけど、だいたい充実していたので問題は無いと思い
ます」
じゃあ、行くぞ。
「はい」

FIN

2001 05/21 written by ZIN
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