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瞳の色02(4人)


「そうでしたか、瞳の色だけで災いとか言われても困っちゃいますよね」
八戒が苦笑しながら、自分の思うところをいうと、悟空もそうだそうだと賛同した。
「まぁ、昔はそう言う基準で物事を決めるしかなかったんだろうな」
思いも寄らないところからの意見に3人は驚いた。
三蔵が言葉を発したのである。
「別にオマエさんに何か特別な過去があるわけじゃないんだろ?」
悟浄が意地悪くそう言うと、三蔵は特に取り合うでもなくこたえる。
「だれでも似たような阻害を受ける物だ。特に気にしたことはなかったが、俺も拾い
子だったからな」
「三蔵・・・」
八戒は別に言わなくてもいいのにといった顔をしている。
「人というのは、自分が大多数に含まれていれば、少数の相手をやり玉に挙げて攻撃
を行うことで、自分を守ろうとする物だ。一般的な基準を自然に組み上げて、それに
適合しない存在をおとしめることにより自分を正当化する。何が起こるかわからない
などというもっとも抽象的な表現を振りかざしてな」
その説明に3人は思わず聞き入ってしまう。
「いちお、人がそう言うものだって言う自覚は有るんだ」
「アタリマエだ。しょせん称号を与えられたところで、俺はタダの人間にすぎん。ま
してや自分が特別な存在だと勘違いしやすい輩のまっただ中にいたからな。さびれた
正義を振りかざす輩にはうんざりだ」
「そうですね。社会で生活する以上、ある程度の常識というのは必要になるのかもし
れませんが、一定の基準を勝手に作って、それに合わない物に押しつけるのはエゴ以
外の何者でもないですからね」
八戒の意見に三蔵もうなずく。
「結局、そんな難しいことはどうでも良くて、そいつの目を見れば、だいたいどんな
やつかわかるんだよ。その表面的な色だけを見て、どうこう言うやつは所詮それだけ
のやつってことだろ?だったら、俺達が生き
るのに、ぜんぜん必要ないじゃん?もっとちゃんと見れば、そいつがどんなやつかわ
かるはずだぜ。俺はそう思うよ」
「ほぉ。思ったよりも見るとこ見ているんだな、感心したぜ」
「馬鹿にすんな。気持ち悪いやつと一緒にいてもヤだろ?俺が見ているのはそこだけ。
気持ちのいいやつは目も綺麗なんだよ」
これだけ自信を持ってはっきりとそう言われると、悟空の基準が一番素直で正しいと
思う。
そして、実際正しいのであろう。
「だから、ここにいるやつはみんな大丈夫」
「オマエに言われちゃおしまいだな」
「オマエごときに選ばれる筋合いはない」
悟浄からは蹴りが、三蔵からはハリセンの攻撃をもらって、悟空は前につんのめる。
「いってーな!何すんだよ」
「フン!」
2人の声がそろう。
「仲良しですね〜」
八戒の笑顔で、いつもの関係に戻ったようだ。
難しい事は必要ない。
飾らなくていい。
自然のままでいい。
それが素直に表に出せるのは少ないのかもしれない。
思い出すために
確認するために
彼らは西へ向かうのかもしれない。

FIN

2000 05/31 written by ZIN
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