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「あけましておめでとーございます!」 ばたんと大きな音を立てて入ってくる悟浄と悟空。 「なんのマネだ?」 おもわずいつものように毒づく三造。 「いや、なんだと言われると困っちゃうんだけど」 「これだから風情のないやつはこまるねー。お正月ですよぉ?三蔵サマ」 「そーそー!たっくさんの飯と、飲み物!お祝いお祭りー!」 「って、やっぱし悟空はご飯のお話ですねー」 八戒はにこにことその様をみている。 「うるせーやつらだ。別に正月でさわがなくてもいいじゃねーか。めんどくせぇ」 「いや、こんな時でもないと騒げねーからなー。イベントは楽しむもんだぜ?」 「フン、それに正月はもっと後だ。おまえはいつの時代の正月を祝っているのだ?」 「えぇ?!今日って正月ってお祭りじゃねーのか?!」 悟空が本気で焦る。 「旧正月は2月16日。この地での本来の正月はあと2ヶ月半後だ」 「さすがは三蔵、適切なツッコミですねー」 八戒がくすくすと笑う。 「いーんだよ、正月は1月1日だろ?そんなにこだわるならもう一回そのときに祝えばいいじゃねーか」 「え?正月って2回あるの?いいお祭りだなー」 「なんとなく悟空は違う理解の仕方をしているように感じますが」 「ほぉっておけ、どーせ飯がくれば黙る」 「なんだよー、人を飯以外に興味がないみたいにいいやがってぇ!」 「ちがうのか?」 「違うぞー!」 「ほぉ、ならこれをやろう」 そういうと、三蔵はひょいと肉まんをほおる。 それにおもわず食いつく悟空。 「うまいものだな」 ・・・・・ 沈黙が流れる。 「いや、これは、その・・・」 「条件反射ですねぇ」 「動物の本能だな」 「わかったら少しは黙ってろ」 「むぅ!」 そのとき宿の扉が開かれた。 「はぁい、三蔵様ご一行様、お祝い料理ですよー!たくさん召し上がってくださいね♪」 「俺たちは頼んでないが?」 「いえいえ、このお正月に三蔵様たちがお泊まりくださったのも何かの縁ですわ。私たちもお祝いするところでしたので、せっかくですから、召し上がってくださいな」 「それなら、いただきましょうか」 いつのまにか、八戒が茶を入れている。 「用意がいいな」 「聞いていましたので」 「いつの間に・・・」 「飯ー!飯ー!」 「まぁ、いいか。たまには腹一杯くうのもいいだろう」 「ぉお!三蔵から許可が出るとは!」 「丸くなりましたねぇ」 「いくらでも食べられるように腹に穴をあけてやろうか?」 「えーえ、結構でございます」 三蔵以外全員の声がそろった。 「いっただきまーす」 今年もよろしく。 FIN |
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