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I want to in the rain(八戒)

雨を見つめていた。
そう、雨を・・・

自分がこの家に拾われてきてから、もう、どれくらいがたっただろうか。
この家で平和な日常を過ごしているとすべてが夢の中での出来事に思えてくる。
現実と幻想の狭間
それは自分の行動を忘れるには都合のいい解釈で
自分を認識するにはあまりにも曖昧すぎて
どうしても、誰かに甘えてしまう・・・
自分に対する甘え。
人に対する甘え。
それでもこの耳につけた制御装置を枕に頭をおろした瞬間に感じると、それは確かに現実で
それは確かにあった出来事で・・・
ふれてみて、感じることができて初めてそこで現実にあったことだと感じることができる。
そして・・・

なくした物を大きさを感じる。

思い出すたびに涙が出てきて・・・
体の痛みよりも、無くした存在を思うたびに痛みが胸に走る。
それは直接的な痛みではないはずなのに、本当の痛みとして胸に突き刺さる。
胸を抱けば抱くほどその存在のなさを実感し
その存在の大きさを改めて感じた。
すべての存在を否定し、自分自身さえを人とは違う生き物に変えても、取り戻せなかった。
人生最大の過ち
愛し合うことすら、禁断といわれても過ちとは思わなかったのに、失ったことに何もできな
かった自分は最低な存在だと感じる。
そんな自分は許されるのであろうか?
妖怪になった自分は、人としての考え方を持っていてもいいのだろうか・・
ここの主は「どうでもいいことだ」と言う。
一言では言い表せない過去を持った赤く赤く長い長い髪を持った男。
その血の色のような赤を見るたびに、自分の過ちを感じさせる。
思い出させる。
そして、この雨も・・・

ただし、雨は少し違う。
過ちとともに救いでもあるのだ。
ここの主と引き合わせてくれた恵みの雨でもあるのだから。
そう、あの赤く長い髪の毛の男に・・・

FIN

2000 04/03 written by ZIN
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