強く強く
勝つまで負けるな

運転している手をみると、普通の手だった。
爽やかに晴れ渡った空。
大きな雲一つない空。
気持ちの良い乾いた風。
ここが砂漠でなかったら、どんなに良かっただろうと思う。
後ろでは相変わらず悟浄と悟空がおきまりの漫才を始め、
三蔵が助手席でいつもの仏頂面を始める。
もう少しすれば、懐の銃を取り出し、後ろの彼らに突きつけることは目に見えている。
自分は相変わらずにこやかな笑顔でそれを見守り、
それがごく当然であるかのように振る舞う。
自分は・・・
本当に彼らと供にいていいものなのだろうか・・・
ふとそんなことを最近考え始めている。
どうやら先日から寝床に寄り添っているジープはそんな自分の気持ちを解っているようだ。
ひょっとしたら、この３人も解っているのかもしれない。
自分がこの４人の中にいることに疑問を持ち始めていることを・・・