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NewAge05


「ほぉ・・・」
独角は八戒の話を黙って聞いていた。
早々にめんどくさくなった悟浄は、さっきから近くの草むらにねっころがり、とっとと煙草を吹かしている。
八戒はその態度に苦笑しながらも、丁寧に自分たちの行動の詳細を説明した。
もちろん、自分たちの今の立場や、三蔵と悟空がいない理由も含めて。
「なるほどねぇ。それでおまえさんが相変わらず俺の愚弟の面倒をみているってことか」
わっはっはと独角は相変わらずの体格で豪快に笑う。
「本人の前ですから・・・」
と八百鼡もいさめるが否定はしない。
「おうおう、あいかわらずにごあいさつなこってぇ」
自分たちの分の話が終わったことを感じたのか、悟浄が八戒の横に戻ってくる。
「んで?」
「はい?」
悟浄の突然の問いかけに、思わず八百鼡が間抜けな返事をする。
「はい?じゃねーだろ?なんであんたらがこんなところをうろうろしているワケ?いまさら紅骸児の何かってわけでもねーんだろ?」
「おい、それは・・・」
紅骸児の名前を聞いてびくっとする八百鼡。
それを見とがめてか、独角が悟浄を制する。
「今更事実を否定したところで、やつは帰ってこねーんだよ。それはおまえさんたちが一番よく知っているはずだ。李厘とかいう小娘といっしょにな」
「・・・っ!」
八百鼡がキッと悟浄をにらむ。
「悟浄、その辺にしておきなさい。僕たちが三蔵たちのことをふれられるのと同じぐらい、彼らもまだ傷が癒えていないんです。わからないあなたではないでしょう?」
「ちっ」
それだけ言うと、悟浄はまたふてくされて元いた草むらにもどる。
しばらくはまた煙草を吹かしたまま戻ってこないつもりだろう。
「あぁ、すみません。相変わらずなので」
「八戒さんも相変わらずですね。あなたがいるからあの方は自分をしっかりと保てるのでしょう。私に独角がいるように」
「あぁ・・・あなた達は」
「んー、まぁ、なんだ、その、そういうことだ」
派手に真っ赤になる独角の顔。
八戒の察した感覚は合っていたようだ。
「あぁ、それはおめでとうございます。なんかこういうところで言うのも何ですが、よかったですね」
あははと、あいかわらずの柔らかな笑顔で八戒は二人を素直に祝福する。
「ありがとうございます」
そういって八百鼡は頭を下げた。
「まぁ、よい話はあとでゆっくりと聞くとして、悟浄も気にしていましたが、なぜこんなところへ?」
「話はちょっと長くなるが、いいか?」
「えぇ、どうぞ。僕たちも手詰まりでどうしようもなくなっていたので、しばらく落ち着いて考え直そうと思っていたところですから」
「それはな・・・」
独角はここに至るまでの顛末を話し始めた。


to be continued

2002 03/03 written by ZIN
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