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前へ前へ[05]

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「おい・・・」
不機嫌そうに聞こえるが、良く透き通る声に、気がつくと、街の入り口がだいぶ
近付いてきた。
「どうしましょうか?まだだいぶ明るいですし、次の街まで行っても大丈夫そう
ですけど・・・」
「・・・今日はこの町で休む」
ぼんやりと運転していたのがばれたのか、はたまたよけいな考えを見透かされた
のか、相変わらずの仏頂面で三蔵が意外な決定を下す。
「え?なに?この町で泊まるの?今日は早いじゃん。いえ〜い♪飯、めし〜♪」
「ほぉ・・・結構大きな街じゃん。綺麗なおねーさんがいるといいけどな」
それぞれがそれぞれの反応を示し、また感想を口にする。
日はまだ傾いたばかり。
灼熱の砂漠をわたるのに多少疲れたとはいえ、休憩するほどではない。
これは自分の注意散漫が見透かされたと見るべきだろう。
「そうですね〜、ジープも少しばて気味ですし、たまにはゆっくり休むとしまし
ょう」
ジープのせいにするのは少し悪いなと思いつつ、ハンドルを寄せる。
三蔵は何も言わないが、おそらくは解っているはず。
いくら自分の作った表情が完璧でも、彼らにはごまかしはきかないだろう。
後ろの二人はともかく、横で見ている三蔵にまでごまかしがきいているとは思え
ない。
「それでは、街の外でジープを止めるとしますか・・・」
とくに反対の意見もなく、淡々と人気のない場所にジープを寄せる。
何となく雰囲気が気まずい。
気のせいだろうか・・・

2000 10/14 written by ZIN
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