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前へ前へ[06]

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降りたときの目配せを了解し、悟空と悟浄に買い物をまかせ、三蔵と宿を探すこ
とにする。
悟浄の視線が多少気になったが、仕方ないだろう。
荷物をゆっくりと下ろす振りをしながら、悟浄と悟空が去るのを待つ。
そのあいだ、三蔵はジープのボンネットに寄りかかったまま、遠くを見つつ煙草
をくゆらせていた。
「・・・で?」
そんなに多くはない荷物を下ろし終わると、三蔵は相変わらずめんどくさそうに
理由を尋ねる。
主語は口にしない。
何が聞きたいのかも言わない。
ただ、自分の返事を待っている。
「宿で・・・いいですか?」
「・・・かまわん」
ピンと指で煙草をはじき、草履の裏で灯をもみ消す。
適当に自分の持ち物とさりげなく悟空の荷物をもち、先に立って歩く。
「行くぞ」
「ええ・・・」
八戒も悟浄の残りの荷物をもち、その後に続く。
気が重い・・
別に何をしたというわけでもないのに、罪悪感を感じるのはなぜだろうか・・・
無言のまま、街の中へと入るが、相変わらず三蔵の袈裟姿は人々の好奇の目を引
いた。
男の二人組。
しかも荷物が多い。
適当な町人に声をかけると、宿を教えてくれた。
そんなに遠くはないようだ。
この無言の時間が少しでも早く終わってほしい。
そう考えずにはいられなかった。

・・・

「着いたぞ」
「ええ・・・部屋で待っていてくれますか?とりあえず荷物を置いてから向かい
ます」
「・・・」
無言で頷き、三蔵は割り当てられた部屋へと向かう。
その後ろ姿を見送りながら、八戒はまた一つ大きなため息をついた。
「・・・っふぅ・・」
悟浄の荷物を先に置き、続いて自分の部屋へと荷物を置く。
肩から荷物が降りたというのに、まだ重くのしかかっているような気がする。
こんな話をしたら、またどやされるだろうか・・
それとも相手にもされないだろうか?
とりあえず話をしないことには仕方ない。
自分で場所と時間を指定した以上、行かなければならない。
八戒は覚悟を決めた。

コンコン
「あぁ・・開いている」
ギィ・・・

2000 10/15 written by ZIN
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